老犬とポラロイド

いつまでも続いてほしい、でも決して長くはない、老いゆく愛犬との大切な日々。

<73> 進化する老犬サークル問題

 前回に続いて「進化する」シリーズ。老犬の要求の進化(高度化?)についていくのはじつに忙しい。

 しかも、マインは飼い主に厳しい(涙)。 私がやることに文句を言うわけではない。たとえば、私が作ったごはんだって、かわりばえしないけれど、全部残さず食べる。

 ただ、ちょこちょこと細かいことを言ってくる。

 その様子は、私の母方の祖母に似ている。基本的にはいい人で、娘である私の母の手助けにはいつも感謝の言葉を口にしていたが、ちょこちょこと小さな注文があった。そのたびに真面目な母は小さく傷ついていた。

 さて、その祖母に似ているウチのマインおばあちゃんだが、最近の注文は「仕切りの『角』を取ってほしい」ということだった。

 細い鼻先(マインは基本的に丸顔ではなく馬顔)が角に当たると、ぐいぐい突っ込んでしまい、しまいには「ふがふが」だの「ぴいぴい」だの言い出す。

 目、耳、そして認知能力も衰えてきているので、横に逃げるというか、顔をそらすことができなくなっている。

 私もそれはわかっていて、角をなくす努力はしていた。プラダンの仕切りの板を小さく分割して、出来るだけ曲面に近づけるようにしてきた。ほぼ150度くらいにはできていたと思われる。(以下、仕切りの変遷。最初に仕切りを作った話はこちら→

f:id:bassotto:20181225115611j:plain

最初に作った仕切り。プラダンをつなげただけ。2018年12月。

f:id:bassotto:20191015120747j:plain

プラダンを縦に細かく切って角をなくす(涙ぐましい)努力をした痕跡が見える最近の仕切り。


 「それでも、角は角なの。困るの」 それがマインの言い分だった。

 これでは認知能力が衰えているのか、鋭くなっているのかわからない。だが、マインが困っているなら、角を取って曲面にするしかない。

 そうは言っても、正直なところ、いいかげん面倒くさかった。「市販でちょうどいいサークルとかないのかな」という気持ちがよぎった。

 だが、ちょっと調べただけで、マイン(と飼い主)の希望に合うものはないとわかった。

 たいていの商品は四角形、多角形でもせいぜい八角形までで、今以上の「角」がある。それに、サークルというのは一時的に入っていてもらうもので、「居住スペース」にはならない。それに私が一緒に入って遊んだり、寝たりできないではないか!(すみません、本人は真剣にそう思いました)

 スチール製パネルを組み合わせて好きな大きさにできるものもあったが、ぶつかった時のことを考えると金属は避けたい。

 というわけで、角をなくすDIY決定。仕切りの内側に何か柔らかい素材のものを張り巡らすことにした。

 さて、そこで何を?と考えた時に、まず頭に浮かんだのは「お風呂マット」だった。

 いまどきは犬用のサークルというものが、さっきも挙げたようにたくさん出ているけれど、10年前くらいはそんな気の利いたものはなくて、お風呂マットをつなげるという話をよく聞いた。

 ところが、いざ探してみると、お風呂マットという商品は案外少ない。考えてみれば、いまどきのお風呂の床はそんなに冷たくない。お風呂マットというのは、平成も飛び越えて、昭和の産物なのかもしれない。

 それで次に考えたのが「ヨガマット」である。柔らかさとかクッション性とかからすると理想的だが、張り巡らすと何枚か必要になる。高かったら無理だなと思いつつ調べてみると、楽天最安値で500円で買えることが判明。

 ちなみのこの商品のレビュー欄でも「足の弱ってきた老犬の滑り止め」というコメントがいくつもあって、なんだかうれしかった。たしかに滑り止めにも良さそうだ。余ったら滑り止めにもしよう。

 ヨガマットのサイズは 約60 cm x 約170cm。厚さは6mm。実際に届いて、プラダンの仕切りに合わせて置いてみると、60cmはやはり高くて威圧感があるので、現在のプラダンの高さの45cmに合わせてカット。ヨガマットはカットも簡単だった。カッターナイフ1回ですっと切れる。

 最初は両面テープでヨガマットをプラダンに何箇所か貼るつもりだったが、シーツの敷き直しの時に動かすことを考えると、余裕というか自由度があったほうが良さそうだということがわかり、端っこ1箇所だけ縦にガムテでビシッと止めて、あとはその都度、「なり」で調整しながら上部をダブルクリップでとめることにした。

 

 そして、とりあえず完成!

f:id:bassotto:20191022112455j:plain

奥の壁も最近、時々コツンしていたので、直接両面テープで貼り付け。


  結果的にはまあまあうまくいっている気がする。マインは曲面に沿ってすんなり回ってくれるし、鼻が面に真正面から向き合ってしまっても、角度がついていなければ、すっと顔を横に向けられる。

 また、何か出てくるかもしれないけれど、しばらくはこれでいってもらおう。

 

 ねえねえ、まちゃん、使い勝手はどうお? 

 

f:id:bassotto:20191022112824j:plain

ふむふむ……。

f:id:bassotto:20191022112936j:plain

いいけど、どうしてブルーなの。 16色もあったんでしょ。オレンジとかピンクとかの方がかわいいのに。



 たしかにちょっとそれは思ったよ。でもね、まちゃんはどこでも自由に進みたがるでしょ。何にも邪魔されずに。それはわかってるんだけど、それができるのは空だけだよ。もうちょっと待ってほしいんだ。もうちょっとね、障害物だらけで面倒なこの世界にいてほしい。その間、気分だけは空にいよう。ふたりで一緒に。だから、スカイブルーっていう色にしたんだよ。

 


お読みいただき、ありがとうございました。
ランキング参加しています。下のバナーをクリックしていただけるとうれしいです。

にほんブログ村 犬ブログ 老犬・高齢犬へ