老犬とポラロイド

いつまでも続いてほしい、でも決して長くはない、老いゆく愛犬との大切な日々。

<78> さよならはある日、突然に

 突然のお知らせになりますが、1月29日、マインが天に召されました。 18歳11ヶ月と2日でした。

 おそらく、脾臓の血管肉腫でした。非常に症状がわかりにくく、進行が早い病気だそうです。

 その日の午後、マインは急に呼吸が早くなり、舌と歯茎が白くなりました。病院に向かい、そこで はじめて、おなかのまんなかあたりに3センチくらいの腫瘍ができていて、それが破裂したことがわかりました。

 すでに摘出手術は考えられず、詳しい検査も、それが命に関わることもあるということでしたので、最小限の点滴と止血、痛み止めの処置だけで、家に帰らせてもらいました。

 そして、その日の夜、息を引き取りました。

 思えば、ここしばらく、1回に食べられる量が減っていたり、食べるのが下手になっていたり、歩く距離が短くなっていたり、起き抜けに立ち上がるのがうまくいかなかったり、といったことはありました。

 でも、そういったことを私は単純に老化のせいだと思っていました。 呑気な飼い主は、1日のごはんを何回かに分けて完食させては「よく食べたねー!」と手を叩いて喜び、抱っこしたり歩いたりを繰り返しながらも最終的には結構な距離を歩いたマインに「今日もいっぱい歩けたねー!」と頭をなでていました。

 ごはんの時は「おいしいねえ、おいしいねえ、まちゃん、たくさん食べてえらいねえ」と大げさにほめたら勢いがついたので、「老犬になると、子犬の時より、ほめた方がいいのかしらね」などと思っていました。

 散歩が終わった後は、抱っこしてマンションのエレベーターに乗ると、奥の鏡でマインの顔を見ることができます。たくさん歩いた後は「やったわ」という満足げな顔をするのが、かわいくてなりませんでした。

 食欲や散歩の調子の変化が脾臓の血管肉腫の症状らしからぬ症状だと知っていたら、もっと早くに病院に行って、エコー検査で腫瘍があることがわかっていたかもしれません。ひとえに自分の知識不足です。

 でも、そうだとわかっていても、摘出手術は年齢的に難しかったでしょう。そうなると、日々腫瘍が大きくなるのを恐れつつ、腫瘍が破裂するのを食い止めるために、歩くことにこだわるマインを「お願いだから動かないで!じっとしてて!」とヒステリックに止めて、マインに嫌な思いをさせたかもしれません。

 29日の午前中もマインは、実家の父が家庭菜園で作った大根と牛すじを煮たごはんを食べ、散歩もしました。

 マインが知らせなかったのかもしれません。マインは私を上手にだましてくれたのかもしれません。マインのおかげで、私は最後まで笑っていることができました。

 マインはそこまで私のことを考えてくれたのに、最後に二鳴きした時、私は「まだダメだよ。ダメだよ」と言い続けてしまいました。そういう時は「ありがとう」とか「大好きだよ」とか言ってあげたほうがいいのだと何度も聞いていたのに。

 そんな私がまだ心配だったのか、マインは目を開けたまま逝き、荼毘に付すまで、目を開けて、私を見守り続けてくれました。

 マインが亡くなった後、「マインちゃんはママに愛されて幸せだったね」と言っていただきましたが、私はそれ以上に愛されていました。

 2月1日、白梅が花をつけたあたたかい朝、雲ひとつない青空へ、マインはびゅんびゅん駆けていきました。

 この下に、その日の青空の写真に続いて、マインが息を引き取ってすぐの写真があります。苦手な方はここでページを閉じてください。

 また、作品や商品の感想をブログに書くとお約束していた皆さま、大変申し訳ありませんでした。

 

 長い間、マインを応援していただき、ありがとうございました。

 

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お読みいただき、ありがとうございました。
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