<51> 過保護を反省……。
相変わらずごはんの話。
マインのごはんは私が小皿に取り分けながら食べさせていた。いつだったか、歯周病がひどくて、なかなか食べなかった時にそのやり方をしてから、なんとなくそれが定着していた。
しかし先日、久しぶりに長時間の留守番をさせなければならなくなった(そういう仕事は基本的に入れないようにしているが、実入りの問題は切実だ)。
予定では、朝7時に家を出て、帰ってくるのは夕方6時頃。普段はその間に朝ごはんと午後の軽食が入る。最近、朝ごはんは8時から9時、午後の軽食は3時から4時。
以前だったら、長く留守番をさせる時は早めに起こして食べさせて、あとはおやつを多めに置いておくという方法でよかったのだが、最近のマインは朝が特にゆっくりで、時には9時過ぎまで寝ていることもある。そうなると、6時に起こして食べさせるというのは気が引ける。
結局、マインの食欲を信じて、朝ごはんと午後の軽食を置いていくことにした。数時間の留守番でもおやつは置いていくことにしていて、それはしっかり食べている。それが増えたところで問題はないだろう。幸い、調子は悪くない。
そして当日。朝ごはんは食べやすいように水分を多めにした上で2つの器に分けてトイレのそばに置き、別の場所に軽食も仕掛けて、よく寝ている様子を見ながら出かけようとしたら……。
起きた。
普通は起きないのに、なぜ起きる……。
とりあえず、トイレには誘導し、それは見届けて、さて、どうするかなと思っていると、ふんふんとごはんの匂いを嗅ぎつけ、口を近づけ……。
食べた。
朝7時前なのに……。
しかも苦労する様子もなく「普通に」食べている。1皿目を片付け、となりにあった2皿目にもそのまま口をつけて完食。小皿で食べさせる時のように周りにこぼしたりもしていない。
へ……?
毎回、私が手をべたべたにしながら、介助していたのはなんだったのだろう?
いわゆる自己満足、あるいは過保護。「これもコミュニケーション」とか思っていたが、自分で食べられるなら、マインのためには絶対にその方がいい。
呆然と、と言うか感心しているうちに電車に遅れそうになって、空になったお皿をとりあえずシンクに置いて、家を出た。
帰ってきたら、別の場所に仕掛けた軽食もすっかりなくなっていて、本犬はぐっすり寝ていた。
それ以来、マインは自分でごはんを食べている。「本当に」介助が必要になるまで、そうしようと思っている。反省しながら、マインが食べるのを横で見ている日々である。
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