<69> ずいぶんごぶさたしてしまいました!
こんにちは。 ずいぶんごぶさたしてしまいました!
ちょっと春先から落ち着かず……その間のことをまとめて書きましたので、よろしければご一読ください。(長くなってしまいました、すみません!)
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この春はいろいろあった。
そう書くと大変なことばかりだったように思われそうだが、良いこともあった。
うれしかったのは、毎年この時期にやってもらっている血液検査でどこも悪いところがなかったこと。それどころか、ここ3年の結果を比べてみると、中には改善した項目もある。
この3年といえば、ちょうど星野先生の鍼灸治療を受けている時期に重なる。今回の結果は、まさにその成果だと思う。2週間に1回の先生のメンテは確実に効いている。あらためてありがたく思うかぎりだ。
だが、さすがに18歳。不老不死というわけではない。この春はそれを知ったのだった。
この春、マインはまたてんかん発作を起こした。
最初は5月はじめ。それから3週間後に2回目。だが、ここくらいまではまだ私も落ち着いていた。2年前の春にも同じことがあったからだ。その時は「高齢化に伴う一過性のもの」ですんでいた。
むしろ、前回は目を剥いて泡をふき、体全体を痙攣させていたので、それと比較しての話だとしても、程度としては軽く見えた。今回は、断続的に四肢をバタバタとさせる、おそらくいわゆる「遊泳運動」を繰り返し、時折首をのけぞらせて「ひゃん」と鳴き声をあげるという感じだった。
かねてから星野先生に聞いていた説明では、春は人も犬も気血のバランスが崩れがち。特に高齢になると、頭にふわふわと気が上りやすいとのこと。
たしかにマインは春になってから落ち着かず、なかなか寝つかなかったり、家の中をウロウロすることが増えていて、私はてんかんもその「一種の興奮状態」の延長線上にあるのだと思っていた。星野先生もこのままおさまれば2年前と同じと考えていいでしょうとのご意見だった。
しかし、2回目から1ヶ月がたった頃。夜中、そして翌朝と、立て続けに発作を起こしたところで、もう一過性のものとは考えられなくなった。
朝イチでかかりつけの動物病院へ向かう。
動物病院の先生によると、高齢になってからのてんかん発作で考えられるケースは主に3つ。
1)一過性のもの。
2)脳炎、脳腫瘍などの脳の病気によるもの。
3)脳が萎縮してきた高齢犬に見られるもの。
そして、先生のお話では、マインの場合、ここまで続いているので1)はない。
その次、2)については、脳の病気なら、もっと辛そうなはずだし(動物病院ではけろっとしていた)、発作の程度も頻度も増していくはずなので、これもおそらくない。MRIで検査をすればわかるが、全身麻酔下の検査は年齢的に勧められないし、そのリスクをとってまで調べるほどの疑いは見られない。
そうすると、消去法で3)。脳の萎縮とてんかん発作は直接的に関係があるわけではなく、脳が萎縮したらてんかんが起こるというわけでもないが、脳が萎縮してきた高齢犬がてんかんを起こすのはままあることらしい。
病院の先生のこれまでの経験でも、おそらくマインは3)のケースだろうとのことだった。私としても一番納得がいった。
いずれにしても、一過性でないなら、放っておけば発作はこれからも起こるわけなので、今後は薬を飲み続けることになった。処方されたのはコンセーブ25mg。これを1日2回。
コンセーブという薬は、血中濃度を見ながら、量をコントロールできるので使いやすいらしい。ある量で発作を抑えられなければ、血中濃度を測って、それに合わせて比例的に増量するとのこと。
コンセーブでうまくコントロールできなければ、他の薬も検討する。星野先生も動物病院の先生も「抗てんかん薬は今はいいものが出ている」と言われるので、余計な不安は持たないことにする。付き合っていける病気なのだ。
薬を飲むようになってから、マインは落ち着いている。 ゆっくりにはなったけれど、以前とほぼ同じ距離だけ歩き、同じ量だけ食べている。生活のリズムは、昼夜逆転っぽいところもあるけれど、寝ているときはよく寝ている。
ただ、今回の一連の発作で心配したのは、発作の時間がとにかく長かったこと。完全に止まるまでには30分から40分くらいかかった。
動物病院の先生も驚いていた。程度としてひどくなかったように思えても(私が「ひどくない」と思いたかっただけかもしれない)、てんかんはどれほど続いたかが重要で、マインの場合、時間的には「重積発作」ということになるらしい。
それでもまた、薬を飲めば落ち着いたのは、それこそ血液検査の結果にも表れている通り、マインの体がまだしっかりしているおかげだろうか。
脳が縮んでも、体の他の部分が気力を支えてくれるのかもしれない。
気力といえば、マインの気力は発作を起こした直後、飼い主がハラハラするくらい凄まじいものがあった。
ダイアップという座薬の鎮静剤は「念のため」にもらっていたので使ったのだが、マインは鎮静するどころか、発作がおさまったところですぐにガシガシ歩き始めた。
最初はふらついたり、倒れたりする。後ろ足はナックリングしている。
もちろん、こちらは見ていられない気持ちになって、抱き上げてやめさせようとするが、さらに興奮して「おろしなさい!歩くのよ!」と訴えてくるので従わざるをえなかった。
「徘徊」と言えばそれまでだが、マインにとっては「自主リハビリ」とでもいうのか、本犬的に必要なことだったのかもしれない。
結局、マインは4時間ほど歩き続け、ようやく普通に歩けるようになったところで、気が済んだようにごはんを1食分たいらげて寝た。
しっかりしているおばあちゃんなのだった。
脳の萎縮については、ちょっと後悔することがないわけでもない。
魚はよく食べていたし、他にも脳にいいといわれるアマニ油、クルミ、黒ごまなども毎日ごはんに入れていたので予防はしているつもりだった。
それでも、消化の良さや歯周病のこと、水分をたっぷり摂らせたいという気持ちから、15歳になってからはトロトロご飯で、「噛む」ことが少なかった。
大切だというのは知っていて、一時は柔らかめの噛むおやつなどもやっていたのだが、ある時、それを誤嚥したらしく咳が続いて、その後はやめてしまった。
もっと、マインでも安全に噛めるものを探してやればよかったか。グリーンドッグの柔らかいターキーのアキレスは上手に噛んでいた。「これ、高いんだよー」とか言わず、続けていればよかったか。手作りジャーキー、一度やってうまくいかなかったけれど、もっと工夫すればよかったか。
でも、まあ、そういうことではないのかもしれない。脳が縮むほどにまで長生きしてくれているというだけのことかもしれない。
ねえねえ、まちゃん、まちゃんは何かヘンな感じとかしないのかなー?
そ、そうだね……。 たぶん、人間の解釈なんて関係ないのだ。まちゃんが気持ちよく過ごせるように、がんばるよ!
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長々と失礼しました!また、ぼちぼち更新しますので、どうぞよろしくお願いします。
お読みいただき、ありがとうございました。
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