<64> 老犬のトイレ問題をめぐる、らちのあかない話
マインのトイレがだんだんアバウトになってきた。滑り止めを考えて敷き詰めた50cm x 50cmのタイルカーペットはいつも数枚欠けている。
タイルカーペットを洗うくらい、たいしたことではないのだが、天気が悪い日に3枚、4枚となってくると、さすがに気持ちが滅入ってくる。タイルカーペットの4隅が突き合っている場所にやられると、一度に4枚引っぱがすことになる。狭い家では干せる場所もかぎられている。
もっとも、いくら狭いとはいっても、家中に防水シーツやトイレシートを並べるわけにはいかない。るすばんをさせるときは仕切りをして、その中には防水シーツやトイレシートを広げておくのだが、常にその状態というのは、これまで自由にさせてきただけに、どうも気が進まない。
だったら、パンツを履かせれば?という話になるのだが、それもまた気が進まないのは、マインは「ちー」が多いからだ。パンツがすぐにずっしり重くなってしまいそうで、それはそれで負担じゃないかと思ってしまう。
ぐるぐるとらちがあかない話を続けると、そもそもちーが多いのは水分をたくさんとっているからだ。それは、多飲多尿というわけではなく、私がたくさん飲ませているにすぎない。ごはんも水分たっぷり、ごはんの後やおやつにもごはんを作った時の煮汁スープをせっせと飲ませているのは、ほかならぬ私である。
たくさん飲ませているのは、とにかく健康には水分が大事ということを信じているのが第一。それに地味ながら歯周病対策でもある。ごはんの後やおやつの時は手に器を持って飲ませるのだが、飲んでいる間に口の中に残っているものが出てきたら、途中で器を引いて残っているスープは捨ててしまう。これで食べかすが溜まるのを少しでも抑えられないかというわけである。それでも、こんなことをしょっちゅうやっていると最終的に飲んでいる量は結構多い。
というわけで、現状を端的に言えば、「マインはたくさん水分をとっているので、もともとちーが多いのだが、高齢になってトイレがアバウトになってきて、それなのにパンツも履いていないので、しょっちゅうカーペットを汚して、飼い主は時々気持ちが滅入っている」 ということになる。
これだけ聞くと、老犬あるあるトラブルのように聞こえるが、よくよく考えると、ここには、
1)水分をたっぷりとるのは体に良い
2)食べかすが溜まるのを防いで、少しは歯周病対策にもなっている
3)パンツを履いていないので、おしりまわりはいつもオープン、本犬はスッキリ
4)カーペットはタイル式なので洗うのは簡単、実は数分もかからない。ダメになったとしても、それほど値段が高いものでもない
という「◎」の面がある一方、「X」 としては、
1)飼い主は時々気持ちが滅入っている
の1つしかない。
そうすると、結論としては、別に現状は間違っていなくて、このままでいいのだ、ということになる。結局、飼い主のため息ひとつですむ話なのだった。はー。
ねえねえ、まちゃんはどうなのかなー?
う、うん、まちゃんの言うとおりだね……。
マインはそもそも子供のころもトイレトレーニングをしたことがない。本当に感心なことに、最初からできたのだ。重い肝炎と膵炎を併発した時もベッドを汚したのは1回だけだった。
そう考えると、生涯を通しては辻褄があっているのかもしれない。昔、ある人が「人生プラマイゼロ!」と言っていたのを思い出した。
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