老犬とポラロイド

いつまでも続いてほしい、でも決して長くはない、老いゆく愛犬との大切な日々。

<48> 老犬のお楽しみおやつ

 マインは一日何回かおやつを食べる。昼夜を問わず、目がさめると、ちょこっと食べたいのだ。以前のように「ちょうだいちょうだい」という顔をすることはないけれど、音も立てずにキッチンに入り、流し台の前あたりでじっと佇む。その迫力は子犬の比ではない。こちらを向いているわけではなくても、いやむしろ全然違う方向を向いていることで、一種の凄みが加わる。こうなると、こちらに有無を言わせない威厳に近いものがある。

 もっとも、「そんな癖をつけてはいけない」などと今さら言う気はまったくないので、仰せの通りにする。一日に何回か起きて、トイレに行って、何か食べて、室内を歩く。それだけでも老犬にとっては頭と体の刺激になると思っている。

 そういう時に食べるのは、まずスープ(と称する、ごはんを作った時の煮汁)。これは、口の中が乾燥(老犬になると唾液が減るらしい)と歯周病のせいでくちゃくちゃしているのを潤すため。それからヨーグルトとサツマイモを潰して混ぜたの(「スイーツよ」と言うと、その気になるっぽい)。

 そして最後は鶏軟骨か豚レバーの茹でたの。軟骨は指でちぎれるくらいに茹でてある。どちらも小指の先ほどにちぎって、さらに切れ目を入れて食べさせる。マインの場合、歯はしっかりあるのだが、噛む力と飲み込む力が弱くなっているので、それくらいでないと持て余してしまう。誤嚥も心配だ。かつては鶏軟骨なんて1本楽しそうにバリバリ食べていたけれど。

 ごはんはフープロでペースト状にしてしまうので、なるべく「噛む」ことをさせたいと思っている。噛むと脳の筋肉が動くので認知症予防(進行防止?)になるらしい。それに、噛んでいる間に唾液が出て、口の中に残っているものもうまく絡めて飲み込めるようだ。このかみかみおやつが最後にないと、口の中にその前に食べたサツマイモやらヨーグルトやらが結構大量に残っていたりする。こうなると、寝ている間に喉に詰まらせないかと心配になる。老犬の心配の種は尽きない。

 先日、たまには「おそろのおやつ」がしたくなって、ちょっと頑張って「かぼちゃかん」と「あんこ」を作ってみた。頑張ったとはいっても、かぼちゃかんはかぼちゃをゆでて、皮をとって、煮汁ごとジューサーにかけて、粉寒天を混ぜて、冷蔵庫に入れておいただけ。あんこも小豆をゆでて、煮汁ごとジューサーにかけただけ。

 

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かぼちゃかんのあんこがけ〜。

 H先生によると、かぼちゃは胃腸に良くて、小豆には利尿作用と解毒作用があるそうだ。小豆は煮汁に老化防止成分がたっぷりなので、ゆでこぼしはしないほうがいいとのこと。

 小豆のゆで方をネットで調べると、料理レシピとしては必ず1回か2回ゆでこぼして、アクを取ることになっていたけれど、小豆の生産者さんのサイトでは、ゆでこぼさないで、水を足しながら煮ればいいと書いてあったので、それに合わせることにした。実際、私自身はそのやり方で全然渋みも感じなかったし、アクも出なかった。

 どちらも材料はそれだけなので、甘みは最後にかけるハチミツで調整。今回はマヌカハニーをちょっとお湯でのばしてかけた。そこそこ気に入ってくれたらしい。 

 

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犬生初あんこ❤️

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おかわりある?


 おいしかったね、まちゃん。あんこはたくさん作って冷凍したから、時々おそろのおやつにしようね。粉寒天って使いやすいってわかったから、豆乳かんとかもいいかもね。夏はアイスクリームかな。一緒に食べられるもの、考えとくね。

 


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