老犬とポラロイド

いつまでも続いてほしい、でも決して長くはない、老いゆく愛犬との大切な日々。

<36> 白内障と冬の散歩時間

 人間とまったく同じ理由で、犬も年をとるほど散歩が大事だと思うようになり、マインも嫌がることはないので、せっせと朝夕散歩をしていたが、日が短くなるにしたがって夕方の散歩が難しくなってきた。夕方の散歩としては5時台か6時台がマインにとってもちょうどいいようなのだが、5時になるともう暗い。暗くて何が困るかといえば、白内障がすすんできたせいなのか、車や自転車のライトが眩しくて、ちょうど目に入ったらしい時には、前足を突っ張らせるようにして体全体で驚くのである。

 それなら車も自転車も少ない道を選べば良さそうなものだが、視力自体もかなり悪くなっているようなので、暗ければ暗いでそれも不安を感じる。もう少し早い時間にと思っても、5時くらいまでは寝ている習慣になっているので起こすのもかわいそうだ。そんなことを考えていると、理不尽だとわかっていても、日暮れが早いことや車や自転車のライトが明るいことの方が恨めしく思えてくる。

 朝よりも夕方の方が体がよく動くようだったので、朝は軽く、夕方はしっかりという散歩パターンが続いていたが、このままではどうにもこうにも楽しそうではない。そう思っていたところで、たまたま朝の散歩が遅めになった時、散歩中にお腹が空いてはいけないと(マインにとってはお腹が空くのはいつでも一大事)、散歩前のおめざを多めに食べさせてから出かけると、朝にしてはよく体が動き、いつもよりのんびり長い散歩ができた。冬らしい、文字通り真っ青な空、マインにとっては日差しも眩しくてきついのだけれど、背中にあたるようにすればあたたかい。マインの進む先には違う犬種のような長い影が伸びていた。

 その日は結局小一時間、そのうち3分の1は抱っこだったけれども、なんだかとても機嫌よく歩いた。一日の散歩の量としては十分。これなら冬の間の散歩は朝だけ、遅め長めに1回でいいのかもしれない。2回散歩した方が生活にメリハリができて、脳の刺激にもなるのではと思っていたけれど、これから春までは日が暮れるとますます寒くなる。老犬に無理は禁物。そうだ、そうしてみよう。

 実際に始めてみると、まず私の気持ちが楽になった。何より夕方、散歩をしながらヒヤヒヤしないですむ。それに、朝1回で長い散歩だと思うと、少し遠くまで行ってみてもいいかという気にもなった。マインが歩きにくそうなら抱っこするつもりで、しばらく行けていなかったところまで足をのばしてみたところ、案外マインも平気そうだった。クンクンしたり、走ったり、チーをするところが以前と同じなのは、どこかで覚えていたりするのだろうか。

 今朝はちょっと遠い公園まで行って落ち葉の上を歩かせてみた。子供の頃のようにシャカシャカ音をさせて落ち葉の上を跳ね回るわけではないが、それなりに積極的に(?)ガサゴソと進む。固まったりはしないので、一応楽しんでいるのかもしれない。立っているはずなのに匍匐前進に見えるのは、ずっと変わらない。

 

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保護色? 

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落ち葉の海〜。

 まちゃん、赤いモミジが落ちてきたら、また来ようね。 

 

 

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