老犬とポラロイド

いつまでも続いてほしい、でも決して長くはない、老いゆく愛犬との大切な日々。

<31> 炭水化物として無塩そうめん・うどん

 マインは時々、血液検査で腎臓関係の数値が引っかかる。時々、歯周病のせいではない口臭がする時がある。やはり、消化機能は落ちてきているのだろう。16歳6ヶ月。それなりの年だ。

 鍼灸治療と食養指導をしてもらっているH先生にも、「腎臓の負担にならないように少しタンパク質を少なくしましょう」と言われた。肉も魚も大好きなマインには辛いが、腎臓を守るためであれば仕方ない。

 それでも、タンパク質を減らしたら、マインのごはんは野菜ばかりになってしまう。それでは体力が落ちたり、体重も減ったりしてしまうのではないだろうか。そんな心配を口にすると、H先生は「マインちゃんは炭水化物を増やしても大丈夫」とのこと。

 マインが今、摂っている炭水化物といえば、さつまいも、里芋、かぼちゃ、春雨くらいだろうか。H先生には「ごはん(お米)をあげればいいですよ」と言われるが、実は私自身にお米を食べる習慣がない。子供の頃から「ごはんかパンか」と言われれば、迷わず「パン」と言っていたくらいのパン好きである。

 それでも、お米は嫌いではない。彼が来てくれていたころは、ご実家から送られてきたというお米をよくもらった。お米のおいしい地方の出身の人だった。だから、選び抜いて買ったステンレスのごはん鍋は持っている。美味しく炊けた。でも、最近はシンク下の奥に追いやられたままだ。ひとりでごはんは炊かない。水加減も火加減も忘れてしまったにちがいない。   

 マイン用なら真空パックやレトルトのごはんをさらに小分け冷凍してもよさそうなものだが、マインにしても以前から、ごはんを食べると「う」が出にくくなる傾向がある。そうだ、炭水化物としてお米にいまいち手が出ない理由としては、こちらの方がよほど重要だ。

 そこで炭水化物摂取のために思いついたのが、そうめんとうどん。以前から時々やっていたが、どちらもちゅるちゅると楽しそうに食べる。間違いなく落ちて来ている「吸い込む力」「飲み込む力」のトレーニングにもなるかもしれない。消化も良さそうだ。

 ただ塩分は気になるところ。そうめんはゆでて水にさらすと塩分はほとんど抜けると聞くが、常食にするなら避けたい。そう思いながら探してみると、食塩不使用というものを見つけた。さらに調べてみると、結構いろいろなメーカーが出している。

 その中で一番惹かれたのは、「揖保乃糸」を作っている「はりま製麺株式会社」の製品。使われているのは国内産の小麦のみで、離乳食としても好評とのこと。「湯捏ね製法」という特許製法で作られていて、塩分ゼロでも、食感は普通の製品と変わらないらしい。

 H先生からも「小麦粉アレルギーがないならいいでしょう」と言ってもらえた。その点については、マインは大丈夫。私にしても、いくらグルテンフリーが流行りでも、「粉もん好き」の関西人である。小麦粉には抵抗はない。

 早速取り寄せて食べてみると想像以上に美味しい。何もつけずに食べてみると、塩味がないとはこういうことかとわかるが、実際にはつゆをつけるので気になることはない。ツルツルとした食感とコシの強さは私が好きな感じ。

 マインも気に入ったようだ。こんな顔をして食べていた。コンデジ、いい仕事をする……)

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 それ以来、1日1回のちゅるちゅるが習慣になった。そうめんにしたら1日10本、うどんにしたら1日2、3本くらいのこと。でも、また一緒に食べられるものがひとつ増えた。

 

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