老犬とポラロイド

いつまでも続いてほしい、でも決して長くはない、老いゆく愛犬との大切な日々。

<30> 新しいカメラで撮ってみた

 ずっと気になっていることがあった。それは、マインは毎日、楽しいだろうか、ということ。

「幸せなワンちゃんね」とは、よく言ってもらえる。たしかに、できることはしてやっている。2週間に1回、H先生に鍼灸をお願いし、毎月、その時々の調子に合わせて漢方薬局で漢方を処方してもらっている。ごはんはH先生の食養指導を受けて作ってやっている。そんなこんなで健康面では、気になることは少なからずあっても、16歳6ヶ月という年齢からすると元気だと思う。

 それに、フリーランスの仕事を調整して外に出る仕事は極力少なくしているので、毎日ほとんど一緒にいる。一緒に起きて、一緒にごはんを食べて、一緒に散歩に行き、一緒に寝る。たくさん話しかけ、たくさんさわっている(それで時々うっとうしそうにされる)。

 それでも気になっていた。マインは楽しいだろうか。

 こちらの考えでどれだけ幸せと思われる環境を作ってやっても、それが楽しいかどうかはわからない。幸せなはずだから楽しいわけではない。だからといって、楽しいから幸せなわけではなくても、もう年をとったマインには、両方感じさせてやりたかった。

 何よりも、長く続いた「二人と一匹」の群れを保ってやれなかったことが気になっていた。マインが毎日一番楽しみにしていた時間がなくなった。それなら「一人と一匹」でなんとかと思うが、旅行は私が車に乗らないので難しい。以前はカフェも好きだったのでひさしぶりに連れていってみたが、すぐに出たがった。それでも、食べることは楽しそうなので、家で何かと一緒にちょろちょろ食べさせていたら、お腹の調子を悪くさせてしまった。

 散歩も行くには行くし、歩かないということはないが、歩き始めて調子が出るまでに10分はかかる。後半は走ったりもするものの、それは早く帰りたいだけで、ほとんどは苦行のような顔をして歩いているのではないか、「運動は大事だから」という私の考えを押し付けられて、いやいや歩かされている気分なのではないかと思っていた。

 そんなふうにくよくよしていた時に、ポラロイドが壊れ、他にもあれこれ思うところがあって、コンデジを買った。それで散歩中、自分ではのぞけない角度(何しろダックスなので、普通に歩いていると頭頂部と背中しか見えない)からマインを撮ってみると、こんな顔をしていた。

 

神社では真面目に(でも似合わない洋犬)。

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イテッ……!

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横断歩道走るのはお約束。

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 マインは、それほど楽しくないわけではない……のかもしれない。(コンデジ、ありがとう。これまで、コンデジなんて格好悪くて、なんて言って悪かったよ……)

 

 

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