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老犬とポラロイド

いつまでも続いてほしい、でも決して長くはない、老いゆく愛犬との大切な日々。

<8> 老犬のための手作りごはん

 マインには、12歳で重い肝炎と膵炎にかかった時から、私が作ったごはんを食べさせている。いろいろな本やサイトを見ながら工夫するのは楽しくもある。

 一番参考にした本は、手作りごはんを推奨していることで有名な獣医師、須﨑泰彦氏の『愛犬のための食べもの栄養事典』だった。この本はよく使う食材の一つ一つについて詳しい説明があるので、今でもよく使っている。

 その頃は、鶏肉(主にささみ)と野菜(キャベツ、かぼちゃ、大根、里芋、舞茸、ブロッコリーなど)を一緒に煮込んで、細かく刻み、食べさせる直前に納豆と混ぜるのが定番だった。鶏肉の代わりに焼いた魚(鮭、サンマ、カツオなど)をほぐして乗せてやることもあった。

 高タンパク低カロリーが大事だと思っていた。だが、タンパク質の摂りすぎは肝臓や腎臓に負担がかかると聞いていたので、肉や魚の類は一日合わせて40グラムぐらいだった。

 あとは、おやつに鶏の軟骨。これも鶏肉や野菜と一緒に煮込んで、毎日1本やっていた。

 悪くはないと思っていたのだが、そこはやはり素人である。2週間ごとに往診で鍼灸治療に来てもらっているH先生や横浜の老犬クリニックの先生に東洋医学の視点から、マインに必要なものを教えてもらえた「食養」指導はとても心強かった。

 大切なのは「腎」を強くすること。

 私自身、マインに漢方薬を飲ませるようになって初めて知ったのだが、「腎」とは「五臓六腑」の一つで、生殖、成長、ホルモン分泌、免疫系などの機能を司る「生命の源」だそうだ。

 また、生命エネルギーの源を「精」と呼び、「腎」の「精」が不足すると、さまざまな老化現象が起こってくるという。

 人間では腎が最も元気なのは20代で、あとは衰える一方なので、後天的に口にするもので「精」を補い、衰え方を緩やかにすることが大切らしい。

 このように聞くと自分のこともいよいよ(と言っても、もうかなり遅い)考えなければならないと焦るのだが、とにかくマインのことが先である。

 マインについて勧められたことは、まず、現時点では腎臓や肝臓に問題はないので、肉や魚のタンパク質をもっと摂ること。80グラムから100グラム程度はOK。この点については、マインは「我が意を得たり」とばかりに大喜び(のはず)。肉の中では豚肉が良いとのこと。

 その他に勧められた食材は、これまでにやっていた野菜に加えて、黒ごま、昆布(黒いものがいいらしい)、クコの実、緑豆春雨など。  

 その後、その都度、アドバイスをしてもらい、15歳後半の時点でのマインの食事は次の食材でほぼ落ち着いた。

 

《乾物》

緑豆春雨・クコ・ひじき切り干し大根煮干し・黒きくらげ・ はとむぎ・黒豆

《野菜》

かぼちゃ・ごぼう・ブロッコリー・さつまいも・人参 ・山芋・里芋・キャベツ

《肉・魚》

肉(豚肉中心)・ 魚(鮭、サンマ、マグロ、カジキ、カツオなど)・ 鶏レバー ・ 鶏軟骨

《油》

アマニ油  

 

 乾物と野菜は一緒に煮込んで、フードプロセッサーにかける。どちらも種類が多いように見えるが、乾物は一度買うとしばらくは持つ。結構煮込むし、後でフードプロセッサーにかけるので、先に水で戻すのも適当でいい。

 また、水をあまり飲まないせいか、体内に水分が不足していると言われてからは、煮汁をたっぷり作っておいて、こまめに与えるようにしている。

 はとむぎは、外皮を取り除いて焙煎しただけのスナックタイプのものをネットショップで見つけてから、とても気に入っている。とてもおいしくて、私もぽりぽり食べ始めると止まらない。シリアルのようにヨーグルトに混ぜるのにもぴったり。マインには最後に混ぜてやる。

 黒豆は茹でてからフリーザーバッグに平たく入れて冷凍すると、パラパラになるので使いやすい。

 野菜はそれぞれ硬めに下茹でして、フリーザーバッグに小分け冷凍しておく習慣がついてからは楽になった。冷蔵庫にあるかどうかを気にしておかなければならないのはキャベツだけ。もっとも、これだけ種類があると、時々何かが欠けても、それほど深刻にならなくてもいい。

 山芋はすりおろしてすぐ、やはりフリーザーバッグに平たく入れて冷凍すると、パキパキ割って使える。(もっと几帳面にするなら、半冷凍の時点で割り箸などを使って「筋」をつけておくと割りやすいのだが、私はたいてい忘れる)

 肉は豚肉中心で、脂肪の少ない薄切りを炒めてやることが多い。炒めると風味がいいので、食いつきがいいように見える。でも、スーパーで値段を見て、鶏肉や牛肉も随時。特に牛肉はやはり好きなのだ。

 鶏レバーもまとめて茹でて、小さく切ってパラパラに冷凍。鶏軟骨は野菜と一緒に茹でてから、フードプロセッサーにかける前に別にして、おやつに。

 魚は鮭を勧められたが、季節によっては高いので、スーパーで値段を見て決めている。マグロやカジキの切り落としが出ていると即買い。カツオのたたきの解凍ものが安い時もうれしい。

 サンマは小骨を取るのが面倒だが、マインが好きなのと、DHAが脳の老化の抑制になるらしいのと、解凍ものなら年中手に入って、しかも安いので、登場回数が多い。1本を4つに切って、焼いてから冷凍。

 アマニ油は必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸が豊富というので、最後に数滴。H先生に勧められた食材のうち、黒ごまだけは本犬拒否。一粒にすごいパワーが詰まっているというのに、甚だ残念。

 

 そんなこんなで我が家の乾物入れと冷凍庫は結構、マインの食材で常にいっぱいの状態である。でも、マインの調子がいいのが何よりだ。

 歯周病がひどくて食べられなかった時には体重が3.9キロまで落ちて心配したが、口の中が楽になって食欲が出てきてからは、体重も戻り、筋肉もまたしっかりしてきた。

 私もちょこちょこおこぼれを頂戴している。乾物や小分け冷凍野菜は人間ひとりにも便利である。

 今も黒豆を煮ている。シワが寄るなどということは気にせず、ただ1時間、お湯でふやかしてから、1時間、差し湯をしつつ弱火で炊く。砂糖を入れなくても、ほんのり甘い。

 煮汁にヤギミルクの粉を混ぜるのはマインの大好物。「ペチャペチャ」の勢いが違う。誰も取らないのに必死に飲む。

 そうだ、ヨーグルトを買ってこよう。そうすれば黒豆と混ぜて、今日はマインと一緒におやつができる。

 

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