<67> 18歳のごはん事情
18歳になってからのマイン。家の中を歩き回る時間帯が出てきたり、妙に甘えたちゃんになったりすることはあるけれど、おおむね元気に過ごしている。この年齢になると、何もないのが一番だ。
特に安心なのは、マインの健康のバロメーターである食欲が落ちないこと。私が作ったものを毎回きっちり完食してくれる。基本的には毎日同じで、煮込んだ食材と生で食べられる食材をジューサーで一気にトロトロにしたものだが、「飽きた」とも言わない。なんとも助かるコである。
ただ、次第に噛む力が弱くなってきたのか、歯周病のせいなのか、あるいは単に面倒なのか、トロトロ度は増してきた。最近はカレーのルー程度。まあ、水分がたっぷりなのは基本的にいいことなので、それに伴う「ちー」の諸問題は置いておく(泣)。
トロトロごはんがいい理由の一つは、どんどん食材が足せることだろう(ホントかな……笑)。というのは、極めて大雑把な私の感覚だが、食材の種類が少ないとむしろ「これとこれって合わせたら変じゃない?」とか思いそうだ。でも、増えればなんとなくまとまる気がする。色は微妙だが、これも慣れてくると「自然のものは混ぜても美しい」などと勝手に納得したり。(それに味だって、私の舌なのでいい加減だけれど、結構滋味深くて悪くない……。)
まあ、どちらにしても、マインが食べているからよしとして、そんな調子で細かいことは気にせずに季節の野菜やらなんやらをどんどん放り込んでいるので、トロトロごはんの中身はある意味かなり充実している。数えてみると軽く20品目は超えた。その中には、星野先生に教えていただいた、高齢犬に特に良い食材、たとえば黒米、黒豆、黒きくらげ、黒ごま、クコの実、山芋、くるみ、アマニ油、ターメリック、豚レバーなども定番的に入っている。
マインは12歳で重い肝炎と膵炎になった後、手づくりごはんの方を喜ぶようになったので、その頃から手づくりをしている。しかし、15歳後半になって、先生の食養指導を受けるまでは、もっぱら自己流だった。マインが18歳まで元気でいられるのは、その頃から教わって取り入れた食材の力も大きいのだろうと思う。
もっとも、年齢と体調に合わせて、少しずつ内容は変わっている。最近、先生からアドバイスがあったのは、少しタンパク質を減らすこと。「高齢になってもタンパク質は大事」と言われていたが、18歳になると高齢にもそろそろ「後期」とか「超」とかがつく年頃だ。
腎臓の働きが衰えてくるのは仕方がなくても、できるだけそのスピードをゆっくりにするために、肉類は少し減らしましょうということになった。でも、痩せも食い止めたい(たしかに、食べていても少しずつ痩せてきている)ので、この頃は脂質の多い「豚こま」の出番が増えている。
フライパンで炒めてトッピングにすると脂身が香ばしいのか、食いつきがよく、量が減った感はとりあえずカバーされているようだ。マインは子どもの頃からキャベツと豚肉の組み合わせが好きなので、キャベツのみじん切りと一緒に炒めると結構「おっ!」という感じで食べ始める(この安上がりぶり……どこまでも泣かせるいいコである)。
その一方で、カロリーをしっかり摂るため、炭水化物は増やしたほうがいいとのことで、無塩うどん、さつまいも、かぼちゃを絶賛大幅増量中(炭水化物といえばお米とじゃがいもだが、マインはこの二つを食べると「う」が硬くなる傾向があるので、食べさせていない)。
私はうどんも他の具材といっしょに煮てジューサーにかけてしまう。最初はなんとなく抵抗があったが、トロトロになってしまうと気にならない。
ちなみに、これまでジューサーに入れるのに一番抵抗があったのは納豆だったが、これもやってみたらなんということはなかった。ふわふわっとなるので食べやすそうだ。(ある時、マクロビレストランで蒸した魚にかかっていたソースがふわとろだったので、何が入っているのか聞いてみたら納豆だった。納豆をジューサーにかけるのはあながち間違いではないらしい。)
こんなわけでマインはありがたいことに快食快便。先日、星野先生に往診に来ていただいている間に、マインが「う」をして、「まあ、理想的なうんち!」と褒められた。18歳にもなると、顔がかわいいだのなんだのより、「う」を褒められるほうが嬉しいのだということに気づいた瞬間であった。
まちゃん、まちゃんは食べることが大好きだからね、いつまでも自分で食べられるといいね! ね、まちゃん! まちゃーん!!
う、うん、寝るのも大事だね……。おやすみ。また明日もいっぱい食べて、元気に過ごそうね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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