老犬とポラロイド

いつまでも続いてほしい、でも決して長くはない、老いゆく愛犬との大切な日々。

<39> やっとお正月?

 仕事を納品したら、新しい年になってすでにほぼ1週間がたっていた。クリスマスもお正月もよその国のことのように過ぎた。ひたすらパソコンに向かうだけの作業だったので、その合間にマインがいろいろ手を煩わせてくれるのはとてもありがたかった。「トイレ、どこだったかね」だの、「お茶いれてもらいたいんだけど」だの、「ごはんはあっためてもらえないかい」だの、「小腹が空いちゃってさ」だの(いずれもおばあちゃん風)に「はいはい」とやっていると、その都度仕事の手を止めることになる。でも、それに全部付き合えるのはむしろうれしかった。私にとっては、それだけでこんな不安定な仕事を選んだ意味がある。

 この間に、マインの散歩の時間は昼間になった。秋までは朝と夕方だったけれど、日が短くなってからは夕方の散歩が寒くなってきたのと、白内障のマインには車や自転車のライトが眩しいらしいのとで、朝、遅めの時間に1回にしていた。でも、それも寒くなってきたので、昼間に移してみたのだ。おひるごはんの後、それまではすぐにまた寝ていたので調子が出ないかなと思ったけれど、やってみたら案外すんなり順応してくれた。

 昨年はこれまで以上にマイン中心の年だった。4月にてんかん発作を2回起こして心配したが、その後はおさまっているので、やはり年齢によるものだったのだろう。一応もらってある座薬は使わずにすんでいる。

 それ以外は大きく調子を崩すこともなかった。2週間に1度、H先生に鍼灸をしてもらっているのがいいメンテナンスになっているようだ。老いは確実に進んでいるけれど、思っていた以上に穏やかだ。H先生にはちょっと気になることもすぐに相談に乗ってもらえるので、私は落ち着いてマインを見守ることができた。

 マイン自身はだんだん体を触られるのを嫌がるようになってきて、私が服を着せたり脱がせたり、ブラッシングをしたりするのも難しくなってきたので、H先生の鍼灸もすごく好きというわけではなさそうだけれど、暴れるほどではないし、してもらった後は間違いなく血のめぐりが良くなって肉球までポカポカしているので、なだめながら受けさせている。ちなみに、体に触られなければいいので、私が毎日してやる棒灸は好きらしい。10分もするとすうすうと寝息をたて始める。棒灸は昨年、朝の習慣としてすっかり定着した。

 ずっと続いている悩みの種はやはり歯周病だ。基本のケアとしては、嫌がるけれど歯みがき、それでも時々調子が悪くなるとH先生に抗生物質歯周病に特化した「ビルデンタマイシン」)を出してもらって乗り切る、というパターンで来たけれど、最近、抗生物質が必要になる頻度が増えている。

 歯の調子が悪くなると、歯みがきも「ギャン!」 そしてとうとう、この間あたりは寝ている時とか、歩いている時に「ギャン!」 人間で言えば、ズキッと響くような時があるのだろうか。 抗生物質も続けると効かなくなるというし、胃腸に負担になるらしいので、なるべく少なくしたいけれど、それほど痛いのなら仕方ない。前回から1ヶ月もあいてないと思いながら、また抗生物質。いっそうのこと、抜けてしまえばいいのだけれど、マインは悪いながらも結構、歯をちゃんと持っていたりする。  

 「プロバイオデンタルPET」という「口腔善玉菌サプリメント」を始めてみた。これはよくある乳酸菌ではなく、口腔善玉菌(K12とM18というブリス菌)に着目したものらしい。これまで「舐めるだけも効果のある乳酸菌」はマインには全然効果がなかったのだが、これはどうだろうか。バニラ風味らしく、とりあえず舐めるのに抵抗はないようだ。

 抗菌・殺菌効果(その他もろもろ)に期待して食べさせているマヌカハニーもちょうどなくなってきたので、新しく買い直した。今度はいろいろ調べて「UMF」が15というものを買ってみた。10以上がニュージーランドでは医療用になるらしい。高いのだけれど、250gで半年は持つので良しとする。

 それを茹でた豚レバーにちょっとつけて、口の中に回るようにカミカミさせている。豚レバーは薄くスライスしてあるものを茹でると適当な硬さになるので、ちぎってやるのにちょうどいい。茹でるとゴムっぽくなるので、鶏レバーと違って、歯にも残りにくいようだ。市販のデンタルおやつはマインには硬いし、それでも丸ごと口に入れたがる性格なので、どんなに小さくしても誤嚥とか、丸呑みして喉を詰まらせるとかが心配だったけれど、豚レバーなら安心。そもそも、H先生によると、老犬には鶏より豚の方がいいとのこと。「腎」の弱りを補うそうだ。

 なんとかこれで持ってくれればと思う。できれば、歯みがきストレスも減らしてやりたい。マインの歯のことばかり考えていたら、私も歯が痛くなってきた。しかも、同じ場所、つまり左の奥歯の上下。私は歯が丈夫らしく、小学生の時に虫歯になって歯に詰め物をして以来、歯みがきだって極めていいかげんなのに、40年以上歯医者に行っていない。それがいざ痛くなってみると、マインの気持ちがよくわかる。ここで、痛い歯みがきなんて辛すぎる。

 そんなこともありながら、今年もなんとか一緒に。遅まきながら、マインと一緒に初詣に行って、そう願をかけた。とても贅沢な願いだと知りながら。

 

f:id:bassotto:20180107175139j:plain

今年もよろしくお願いします。同じようなシニアわんたち、調子を悪くしているわんたち、みんなにいい年になりますように。

 

 お読みいただき、ありがとうございました。
ランキング参加しています。下のバナーをクリックしていただけるとうれしいです。

にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ

にほんブログ村 犬ブログ 老犬・高齢犬へ